「閉鎖病棟それぞれの朝」を観ました。閉鎖病棟というタイトルとパッケージにある笑福亭鶴瓶さんの写真が気になりレンタルしました。
主人公は梶木秀丸。妻や母親を殺害したことで死刑判決を受けた元死刑囚で、笑福亭鶴瓶さんが演じています。映画の冒頭に映し出されるのは、死刑執行日を迎えた刑務所です。鉄格子が閉まり、看守に連れられた梶木秀丸の絞首刑を執行されるところでした。
病院の話だから生き延びるんだろうなと…。そのとおりでした。
「閉鎖病棟それぞれの朝」は2019年に公開されたヒューマンドラマとのことで、主人公が精神病院に転院し、そこに入院する患者との日常が描かれています。
特筆すべきは鶴瓶さんの演技力でしょう。死刑執行で半身不随になることから、車いすでの演技になります。おだやかに振る舞い、誰からも相談を受けるような初老になっていきます。
そんな時、小松奈々さん演じる島崎由紀が同じ病院の患者に性的暴行を受け、それに憤慨した主人公が当該患者を殺してしまいます。
このシーンも当該患者を車いすの自分に引き付け、服で抑えつけて離れないようにして何度もナイフで刺すという感情を抑えつつ憎しみを込めた演技でした。
そして、主人公の裁判が始まります。一度死刑囚になった主人公を今度は助けようと病院の患者たちが動き出し、最後は、傷ついた心とそこから立ち直りたい気持ち、本当は自分が殺したかったという心の葛藤を抱えながら小松奈々さんが裁判の証言台に立つのです。
